不動産査定とは?基本を理解して賢く売却しよう
不動産の売却を検討する際に必ず必要になるのが「不動産査定」です。しかし、査定と聞くと「何を基準に価格が決まるの?」「どうすれば高く評価されるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。査定価格は不動産会社によって異なることもあり、納得のいく取引を実現するには、査定の仕組みやポイントを理解することが大切です。
この章では、初心者にもわかりやすく不動産査定の基本を解説します。
不動産査定の目的とは?
不動産査定とは、その物件がいくらで売れそうかを不動産会社が算出する作業です。目的は以下の通りです。
– 市場での適正な販売価格を把握する
– 売却時の価格交渉の基準をつくる
– 不動産会社の見積もりを比較する材料にする
査定価格はあくまで「想定される売却価格」であり、必ずしもその金額で売れるとは限りませんが、販売戦略を立てる上での出発点となります。
机上査定と訪問査定の違い
不動産査定には主に以下の2種類があります。
– 机上査定
所在地・間取り・築年数などの基本情報をもとに、相場や類似物件と比較して算出します。インターネットや電話で依頼でき、スピーディーに結果がわかるのがメリットです。
– 訪問査定
実際に不動産会社の担当者が物件を訪れ、内外装の状態や立地の細かな要素を確認しながら査定します。より現実的で精度の高い価格が出やすく、正式な売却を検討している方におすすめです。
不動産査定でチェックされる主なポイント
査定価格に大きく影響を与える要素は多数ありますが、その中でも特に重要とされる項目について詳しく見ていきましょう。
立地条件と周辺環境
物件の所在地は査定において最も重要な要素のひとつです。
– 最寄り駅からの距離
– 駅やバス停、商業施設、学校などへのアクセス
– 再開発エリアや人気エリアかどうか
– 周囲の治安や騒音の有無
たとえ築年数が古くても、人気エリアであれば高い評価を受けることがあります。
建物の築年数と状態
築年数が古くなるにつれて価値は下がっていきますが、メンテナンスがしっかりされているかどうかも重要です。
– 外壁や屋根、内装の劣化具合
– 水回り(キッチン・トイレ・風呂など)の清潔感やリフォーム履歴
– シロアリや雨漏りの有無
築浅物件はもちろん有利ですが、築20年以上でも丁寧に使われていればプラス査定につながるケースもあります。
間取りや広さ、日当たり
買主が暮らしやすいと感じる間取りかどうか、生活動線がスムーズかどうかもチェックされます。
– 家族構成に合った間取り(3LDK、2LDKなど)
– 専有面積・土地面積の広さ
– 南向き、角部屋、バルコニーの有無など
日当たりや風通しがよいと生活の快適さがアップし、需要も高まるため、査定額も上がりやすくなります。
マンションの場合の共用部分の管理状況
分譲マンションの場合、共用部分の管理体制や修繕積立金の運用状況も査定に大きく影響します。
– 管理会社がしっかりしているか
– エントランスや共用部の清潔感
– 管理費・修繕費が適正か
管理体制が良好なマンションは資産価値も高まりやすく、買い手にも安心感を与えます。
査定価格を高めるためにできること
少しでも高く査定してもらいたいと考える方は多いはず。以下では、査定時にプラス評価につながるポイントを紹介します。
室内の掃除と整理整頓
第一印象はとても重要です。室内が散らかっているとマイナス評価になる可能性もあります。特に訪問査定の前は以下の点を意識しましょう。
– 家具や物の配置をスッキリさせて空間を広く見せる
– 窓を開けて換気し、ニオイをリセット
– 水回りはカビや水垢を丁寧に掃除
「この家で暮らしたい」と思わせる印象づくりが査定アップにつながります。
リフォームや修繕の履歴をまとめておく
キッチンやバスルーム、トイレのリフォーム履歴がある場合、それを証明できる資料を用意しておくとプラス評価を得やすいです。また、以下のような修繕履歴も査定に影響を与えます。
– シロアリ対策をした証明書
– 屋根や外壁の補修記録
– 耐震補強を行った証明書
状態が良い物件は、買主にとって「すぐに住める安心感」があり、価格にも反映されやすくなります。
査定前に不要な設備は処分しておく
古い家電や家具、壊れた設備がそのままになっていると、「修理や撤去の費用がかかる」と判断され、マイナス査定になる可能性があります。できる範囲で処分し、スッキリとした状態にしておくのが望ましいです。
不動産会社の選び方と査定時の注意点
査定は不動産会社によって結果が変わることがあります。後悔しない売却をするためにも、信頼できる会社を選ぶことが大切です。
複数社に査定依頼をする
1社だけで決めてしまうと、相場を見誤ってしまうことがあります。3社以上に査定依頼し、以下の点を比較しましょう。
– 査定価格に大きな差がないか
– 提案の内容や根拠が明確か
– 担当者の説明や対応が丁寧か
高すぎる査定には注意が必要です。売却後に値下げを迫られることもあるため、現実的な価格提示をしてくれる会社を選びましょう。
媒介契約の種類を理解しておく
正式に売却を依頼する際には「媒介契約」を結びます。主に以下の3種類があります。
– 専属専任媒介契約:1社にだけ依頼し、自分で買主を見つけても売却不可
– 専任媒介契約:1社にだけ依頼、自分で買主を見つけた場合の売却は可能
– 一般媒介契約:複数の不動産会社に同時に依頼可能
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った契約形態を選ぶことが重要です。
まとめ
不動産査定は、売却の成否を大きく左右する重要なプロセスです。立地、築年数、管理状況、間取り、室内の清潔感など、査定価格に影響を与える要素は多岐にわたります。事前にできる準備や整理をしておくことで、より高い査定額につなげることが可能です。
また、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格だけでなく対応や信頼性も含めて比較することが後悔のない売却につながります。大切な資産をしっかりと評価してもらうためにも、今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてみてください。